あなたは、トラブルになっている当事者の間に入って、話し合いの仲介をしたことがありますか。
当事者の争いが熾烈をきわめると、真っ向から対立し、話合いは膠着状態となり、出口なしの様相を呈します。
双方の言っていることはまったく食い違っており、一方が嘘を言っている場合もありますが、むしろ互いに事実を主張していると信じている場合が多いです。
言い争っている当事者は自分の主張を何度も繰り返し述べ、相手の話を聞いているようで聞いていません。
相手が話をしているのにもお構いなく自分の話を声高に展開します。
主張の内容が論理的でなく感情的で理不尽なものなったりします。
総じて相手の話を冷静に聞くことができない状態、あるいは当事者もどうしていいかわからない状態です。
こうなってくると、手の施しようがありません。
このときの当事者の心理状態はおおむねつぎのような状態ではないでしょうか。
相手に対し、怒り・憎しみ・悲しみ・憤り・恐怖などで冷静に話ができない。
あるいは、相手方と利害が対立し自己の利益ばかりに意識が支配されて、合理的な判断ができない状態です。
紛争当事者の話し合いはデッドロック状態です。
このような場合、メディエーションは、
当事者間の失われた対話関係を復活・促進し、話合いによる
徹底した自己決定に基づいて、双方が満足する解決をめざします。